泉川校区学校支援地域本部

2010/1/18
「学校支援地域本部の目指す方向性について」発表資料(PDF 2.13 MB )




学校支援地域本部全国協議会発表資料(PDF 12.1 MB)






泉川小学校での懇談模様

泉川中学校での懇談模様

泉川校区学校支援地域本部の目指すもの

1.学校支援地域本部事業に取組むに至った流れ

泉川校区では、泉川小学校、泉川中学校の学校活動を地域みんなの力で支えていく活動を展開しようと「学校支援地域本部事業」に手を挙げました。
まだ、半年にも満たない取組みですが、改めて地域の力は偉大だということを感じています。
学校はやはり、地域住民にとっては共通の財産だということを再認識しました。
「学校のためだったら一肌も二肌も脱ぐよ。」と言ってくれる人が沢山いることを知ることができました。この力を活かさない手はありません。学校支援地域本部事業は確かに学校を支援するための事業ですが、同時に地域の力を強化する活動ではないでしょうか。
公民館支援本部も公共施設(道路や公園)支援本部も地域には存在します。
また、そこで活躍する人材は様々な分野で活動してくれる人財です。そのパワーを結集させ、地域の総合力をパワーアップさせようと思います。

しかしながら、まだまだ学校現場は、学社連携、融合、協働という感覚は持ちにくいということも正直感じています。その原因はどこにあるのでしょうか。学校教育の体質と言ってしまうのは間違いです。たまたま今まで学校と地域の接点が少なく、両者に電流が通っていなかっただけではないでしょうか。
学校支援活動が先生の負担を増大させるといった感覚が当初はあったのですが、これは未経験ゆえの誤解であったと今は学校の先生方も言ってくれています。
「学社融合」という言葉は確かによく聞かれるようになりました。しかしこれはあくまでも一つの方法論であり、そのこと自体が目的ではないはずです。
学校だけではできないことが地域の住民と一緒になって行うことで可能になる。
その結果、子ども達を取り巻く環境が変化し、地域の眼も子どもたちに優しくなるに違いありません。。子ども達は地域とのふれあいを通じて、その結びつきの中で「ひととなり」を学び、一人前の人間になるはずです。また、大人も、子ども達の日頃の実態を目にすることで、マスコミや様々な情報による固定観念に邪魔されることなく、子どもの真の姿を知ることができます。
 教育基本法の改正、また教育改革のうねりの中、今こそ、新しい学校経営のビジョン、地域づくりの戦略が必要なときです。学校支援地域本部事業を通じ、地域連帯感を高め、従来の「公民館」一極主義から、「学校」を複次的な拠点に据えた、複眼的な考え方への転換を図りたいと思っています。
学校という場所を子どもだけではなく「地域の学校」にしてしまえば、住民すべてが“まなびと”になるよい機会になります。先生と生徒の関係である「スズメの学校」だけでなく、地域のみんな、誰が生徒か先生か、場面に応じて柔軟に入れ替わる「メダカの学校」共に教えあい育っていく、共育の場となるよう学校支援地域本部を位置づけたいと思っています。
それと最近特に感じるのが、子ども達も地域の一員でありお客さんではないはずだということです。
あまりにも大事にし過ぎるのではないか。
もっと自ら考え、失敗し、場合によってはケガもしながら成長していく場面を作っていくべきだと考えます。また、そんな子どもの失敗の姿を見守る余裕、根気強さを我々大人は持たねばならないのではないかと感じています。

いずれにしても、学校支援地域本部という取組みはまだまだスタートしたばかりです。まだまだ、
個別の点でしかありません。しかし、誰かが事を起こさなければ何も始まりません。そんな点が各地に増え、繋がって線になり、線が繋がって面になることで、地域の色を変え、地域の風土の変革につなげていきたいと思います。
泉川校区には、すでに15年ほど前からPTAが一人一役制に取り組み、花いっぱい運動や環境美化、プール当番、行事のサポートなど学校支援地域本部の先駆け的な事業に取組んでいる素地があります。しかし今では、ある意味活動の困難さを感じています。よき伝統を継承し、新しい地域を創造するための新たなシステムに学校支援地域本部事業を練り上げていきます。

2.学校支援地域本部事業の具体的な事業展開について

(1)期 間  平成20年度〜22年度 (3カ年継続事業)
   3カ年で基盤整備を行い、その後はその体制を継続させます。

(2)対 象  泉川小学校・泉川中学校

(3)地域コーディネーター
   各学校と地域のボランティアをつなぐ役割を果たします。
また、具体的な事業推進にあたっては企画立案、情報提供を行います。今年度は次の2名です。
   藤田 勉 (大好き泉川まちづくり実行委員会 委員長)
   直野 由美子 (情報提供担当)
   なお、公民館長、各校長がそれぞれの立場からコーディネーター機能を果たします。

(4)地域ボランティアの登録  (目標値 まずは100人)
   公民館報や各種会合を通して、地域の様々な人材の掘り起こしを行います。
   決して専門性を期待するものではありません。誰もが持っているボランタリーな気持ちを最優先します。学校のために何かできることがあれば、ゴミ拾い、草抜き、見守りなど何でも構いません。
   また、企業の社会貢献も大歓迎です。高い技術、作業能力あるいは道具があれば、実際の活動の輪が大きく広がります。

(5)具体的な活動内容として (これはあくまでも一例に過ぎませんが…)
  ア.学校内の環境を整える活動
    樹木の剪定、簡単な故障個所の修繕、ペンキ塗装、老朽施設の撤去など
イ. 草花を育てる活動
学校内の花壇や道路のプランターの花の管理、除草など
  ウ.動物を育てる活動
    飼育小屋の整備や小動物の飼育など
  エ.学校図書館の整備活動
    古くなった図書の整理、本棚の修理、司書補の活動など
  オ.学校教育(授業)のサポート活動
    読み聞かせ活動、算数や漢字などの指導、体験学習(米作り・注連縄など)の支援
  カ.部活動のサポート活動
    サッカーや野球などのスポーツ活動の指導、文化活動の指導
  キ.児童生徒の安全安心を確保する活動
    大好き泉川っ子見守りボランティア活動
  ク.学校の健全な運営を支える活動
    学校の望ましいあり方を考え、実践する活動(学校紹介・説明会開催など)
  ケ.その他、学校を支援する活動で、地域の力がその解決に寄与すると思われる活動であれば前向きに取組みます。

(6)ボランティア活動に伴う経費は原則無償(保険加入、一部消耗品は除く)

(7)公民館長が果たした役割
   現状では学校と地域をつなぐキーは公民館長にあるのでは。公民館長から学校長を訪ね、御用伺いをすることで、学校のスタンスは大きく変わった。公民館長が中学校を訪ね、そこで低木の剪定をする姿を見て子どもたちは何かを感じたはずである。小学校でも公民館長が校長に直談判し、学校支援地域本部事業の趣旨を納得してもらったようである。

3.学校支援地域本部事業を有効にするため、先生方に望むこと

(1)児童生徒を“地域の子ども”として成長を支えていきたい。そんな思いが地域にはある。そのことを気長に学校の先生に感じてもらえるよう続けていく。地域は自分たちが思うよりも温かいはずです。

(2)学校の先生だけでは対応しきれないこともあるはず。学校外に助けを求めることは決して学校の値打ちを下げることはない。地域の人材や資源を有効に活用することで、子ども達に本当の生きる力を身に付けさせてあげたい。
しかしながら、地域の人は教える専門家ではありません。でも教えるレベルもだんだんに向上していくはずです。長い目で見てください。はじめは下手でも段々と腕を上げていく、その過程がまさに生涯学習に他なりません。

(3)子ども達が地域の中でも主人公になれる場をつくってあげたい。子どもは誰かに必要とされる成功体験を重ねることで大人になっていく。いつまでもやってもらう喜びだけではダメになります。何かをしてあげられる喜びを味わわせほしい。@してもらう喜び ⇒ Aできる喜び ⇒ Bしてあげられる喜び

(4)学校の先生もぜひとも地域の人達の輪の中に入って下さい。その過程を通じて信頼関係ができるはず。そこで培われた人のネットワークは将来の大きな財産になるはずです。将来、無理を聞いてもらえる地域の人達がどれだけいるかで、活動できる領域やレベルが決まるといって過言ではないと思います。

4.これからの方向性について

子ども達にとって最も大切なことは、最善の教育機会を提供することです。
そのためには固定観念を捨て、柔軟な感覚で学校も地域も惜しみなく力を注ぎ、協力しながら共に活動をしていきたいと願っています。
しかしながら、学校教育の進むべき方向性はまだまだ見えにくい状況で、先生方の感覚も千差万別、管理職や先輩の顔色を窺いながら関係の中で、自分の考え方を貫くことは難しいのではないかと推察します。何が変えていくべきことで、何を変えてはいけないかを見極める力を持って、志を大切に、信じることを貫くことが大事ではないでしょうか。新しいことを起こせば必ずと言っていいほど批判を招きます。でも、それに委縮してやめてしまえば前に進めません。
泉川校区では地域活動に取組む際によく言っていますが、何かを始めようとすると賛成は2割、それと同じ2割は反対がいる。だから初めから全員一致を求めると何もできない。その間の6割をどのように変えていくのか、継続の中で知恵を絞っていかないといけないと思うのです。
子どもたちは大人の姿を私たちの想像以上によく見ています。
子どもたちに理屈だけで言い聞かせることはできません。大人が子どもたちに良き手本となる行動を示せるような地域になりたいと思います。子ども達の心の中に、将来花咲くよい種をまいていきたいと思います。その種がいつか花開き、実を結ぶことを信じて、子どもから大人まで一体となって、学校と地域が一体となって、子どもたちを支えていく取組みを積み重ねていきたいと思います。
今後、様々な学校支援地域本部の活動をみなさんに紹介してまいりますので、どうかご指導宜しくお願いいたします。
最後に私たちが大事にしている言葉を記します
。欲張らず、一歩一歩できることを
積み重ねていく学校支援地域本部を目指していきたいと思います。
そして、3年で予算がなくなれば終わりといった恥ずかしいことにはならないよう継続を誓います。

ひとつひろえば、ひとつだけきれいになる

   10年偉大なり、20年畏るべし、30年歴史なる

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