平成18年度は泉川校区連合自治会にとって、新しいまちづくり元年でした。
従来は、補助金などをあてにしていたのですが、今年からは自治会が中心になって校区内の事業所や有志を募り、自主財源を確保しました。その予算をもとに、各種団体が独自の事業を展開したのです。

  また、国道11号バイパスを地域の財産として、みんなできれいな道にしていくための取組みを始めました。このような新しい活動を始めたことで、まちが新しいものに生まれ変わろうとしています。この新聞では連合自治会の思いや現在の取り組みを紹介し、皆さんと一緒に、誰もが誇れる泉川にしていくための知恵を出し合っていくきっかけにできればと思います。私たちの活動のモットーは・・・

1 自分達にできることは、自分達でやろう

その基本は役所に依存しないことです。道路が汚れていたらこれは国、県、市だといって、電話をかけて苦情を言う。公園にごみが落ちていたり、木の枝がはびこっていても文句を言うだけ、これでは町を愛する気持ちは生まれません。自分達にはできないことも沢山あります。それは行政に任す。ただし、住民が一緒にやれることは協働で相乗効果をあげるべきです。行政に頼んだことは税金で行われます。限られた予算です。どうせなら有効に使えるように自分達でできることはやっていきましょう。

2 地域の子ども達は財産、一人前にしよう

子ども達も地域社会の一員です。しかし、私達は今まで一人前扱いしてきませんでした。国道11号バイパスのワークショップには泉川中学生が参加しています。そこで生徒達は大人と一緒の土俵で自分達にできることをやりたいと語っています。道路の清掃や、花を植えることは子ども達にできるのです。その他にも子ども達が活躍できる場所をつくりたいと思います。子ども達が無限の可能性を発揮できるよう上下の関係ではない、地域の人との斜めの関係を大事にしたいと思っています。

3 「結いの心」を大切にしよう

昔から、田植えや稲刈りなどのしんどい時には助け合うことが当たり前でした。道普請もみんなで力を合わせて行ないました。それがいつの間にか失われつつあります。人が支えあう心をなくしてしまうと取り返しがつかない世の中になります。今なら間に合うのです。「隣は何をする人ぞ」といった希薄な人間関係ではなくて、少しばかり煩わしいけれど温かい助け合いの関係を求めていきましょう。「結いの心」とは太鼓台をかき上げる心と同じだと思うのです。

4 一生学んで、損をしない人生を送ろう。

世の中、本当に変わってきています。携帯電話でテレビが見える世の中になり、誰でもが裁判員になる可能性がある社会になりました。社会の変化を先読みし、いざという時になってあせらない知識を身に付けないと損をしてしまいます。学ぶことが「得になる」、「徳になる」という考え方を定着させるために、「何でも楽集会」を自治会館で行なっています。昔の学校で学んだ知識だけでは、今の世の中は乗り切れません。楽しく一生学んでいきたいものです。

5 地域の値打ちをみんなで高めよう。

住民みんなの心があたたかく、優しい人の多い町には人が集まってくる。ゴミがなく花いっぱいのきれいな町、挨拶の交わされる町、隣近所のみんなのことが信用できる町は、そんな理想の町はみんなでつくれるはずです。そんな地道な活動を積み重ねていけば、町の値打ちがいつの間にか高まっていく。きっと将来は地価も上昇するに違いありません。地域の10年先に思いをめぐらせ、将来のビジョンを共有し、みんなで力を合わせて、階段を一歩一歩上っていきましょう。失敗を恐れずにチャレンジする、油絵の発想でまちづくりに取組みましょう。

 まちづくり講演会の讃岐 幸治先生のことばです。

 
「温故知新」から「温故革新」へ

論語の「温故知新」を一歩進めて、「温故革新」に繋げていく。古きよきことの値打ちを噛み締めながら、新しいまちづくりを創造することが大切です。

 「滅私奉公」から「活私創公」へ

昔は自己犠牲、「滅私奉公」が尊ばれました。しかしこれからの世の中、個人を活かしながら、公を大切にする公民意識を持つ「活私創公」こそが大切です。


「大好き泉川まちづくり実行委員会」の取組み


1 活動のきっかけ
 平成15年に公民館が小学校の隣接地に移転新築されました。それをきっかけに、小学校・公民館周辺を地域のシンボルにということで毎月一回の「大好き泉川の日」を設定し、ごみの回収、花いっぱい運動などで地域を美しくする活動に取り組み始めた。まずは、地道に無理をせず、できることからやろうという気持ちを大切にしてスタートした。
その後、台風災害を被災したことで自主防災組織の充実や、地域子ども教室をはじめとする子どもの居場所作りなどに積極的に取り組んでいる。地域コミュニティの機能が弱体化しており、今の時点でコミュニティの再生を図らなければ手遅れになるという認識が高まってきた。市民と行政の協働を推進し、自分達の地域に誇りが持てるまちづくりを主体的に、"大好き泉川”を合言葉に、すべての住民が自分のこととして地域社会や家庭生活、個人生活の向上に向けて、自分にできることにできる形で取り組むことで、「元気いっぱい、美しく、思いやりにみちた、安心して生活できる」まちづくりを推進していくことを目的として活動している。

2 平成18年度の主な事業として
(1)まちづくりの推進組織を再構築する。
 全住民に呼びかけ、既存の団体も含めたまちづくりに熱い思いをもった自己申告会員制の人材が集まる組織(仮称:大好き泉川道楽者倶楽部)を結成する。

(2)自分達でまちづくりの長期的なビジョン及び計画を策定する
  みんなが知恵を出し合い、自分達の町に欠けていること、進んでいることを洗い出し、今後何に力を配分していくかを考え、すべての住民が情報を共有できる仕掛けをつくる。

(3)市の予算に依存しない、自主財源システム、寄付文化の構築を目指す。
  補助金がなくなると事業も消滅するという形は避けたい。地域の商店や企業もまちづくりに貢献できる寄付文化を地域に根付かせ、みんなが使途を決定する仕組みをつくる。

(4)公民館と自治会館が連携した「何でも楽習会」の開設
自主防災活動・ごみ問題・福祉問題・子育て支援・健康など市民生活に直結したテーマの学習を、自治会館が公民館のサテライトになって開設する。

(5)「大好き泉川感謝祭」を創設する。
その年度に活躍した校区住民をみんなで褒める日を設立。花いっぱいコンテスト・金婚式・子ども顕彰・小中生のコンサートなど  9月  日予定
(6)環境にやさしいフリーマーケットの実施
  中学生に協力してもらい、自治会が主体になって各家庭に眠っている不用品を持ち寄り、もったいない意識の普及・啓発を図る。

(7)校区花いっぱい運動の拡充
  自治会が中心になって、校区全域を花いっぱいの美しい町にしよう。夏〜秋はプロフュージョン(百日草)、秋〜春はパンジー、各1万本を種から育てて植えます。
従来から取り組んでいる校区花いっぱい運動を拡充させるために花いっぱい会員制度を創設する。一口2千円で、年間12本の花をプレゼントする。会費は種から育てる活動に充当する。

(8)自主防災リーダー養成研修の実施
  自主防災組織の開設が進んできたが、知識・活動面において必要な資質がまだ得られていない。各自治会から推薦されたリーダーに対して専門的な研修を行う。
      7月15日(土)神戸市研修:人と防災の未来館

(9)大好き泉川情報パンフレットの全戸配布
  大好き泉川運動の実態を広く校区住民に知ってもらうために、年間2回程度パンフレットを全戸配布する。

(10)元気老人が増える体操を普及させよう
高齢者向けの元気の出る体操、笑いの講座、健康管理教室を実施し、いつまでも自立できるエイジングを目指す。

(11)先進地との情報交換会
自分達の活動だけでは、客観的な自己分析は困難である。内子町や旧双海町の自治会組織との交流会を持って、情報を収集し、今後の活動に活かす。

3 これらの活動を通じて何を目指す方向性

@ 地域住民が主体的にまちづくりに関ることで、自分達が暮らす地域に対して誇り・自信が生まれると同時に愛着が深まる。            
A 地域社会への貢献の方法を一面的に捕らえるのではなく、「汗を出す」、「知恵を出す」、「資金を出す」といった、様々な関与の方策があることを啓発する。
B 従来の補助金依存体質を脱却し、みんなで自己財源を捻出する努力を惜しまず、現状の予算を精査し、冗費を抑えることで本当の意味の自治意識が生まれる。
C 住民の生活に密着した地域活動を推進することで、住民にとって必要な情報が行き渡
  り、公民館や自治会館、自治会などの組織の必要性が高まる。

4 事業推進上、これから必要と考える事項
(1)自己責任・自己決定意識を根付かせる。
この事業は地域住民自身が、自分たちのまちのために主体的に取り組むべき事業であり、年次ごとに事業内容を見直し、PDCAのサイクルの中で必要なものに就いての見極めを行うことが必要。

(2)行政との連携・協働の推進
当該事業は市民と行政が協働で事業を実施することに重点を置いている。そのため、行政の出前講座の有効活用や各担当課との調整を十分に行い事業を推進する。(公園管理・道路管理アダプトプログラムなど)

(3)既存施設の有効活用・企業等への働きかけ
従来活用されることが少なかった自治会館を生涯学習施設として利用することで、より身近に住民が学習に取り組むことが可能となる。事業内容についても、環境問題、高齢者の健康、自主防災組織の機能強化、地域を美しくする活動などは、地域のすべての住民にとって必要な事業であると認識している。また、これらの活動を、地域の諸団体、企業等の協賛のもとに推進することで、地域の一体化が一層促進されると期待しており、公益に資することが大であると考えている。必要な経費を捻出する努力や、賛同するものを拡大していく努力を重ねることが、真の自己責任意識、自律意識の形成につながる。

(4)まちづくり人材の発掘・行政職員の協力促進
従来は、様々な団体が個々に活動に取り組むことで進められてきたまちづくりを、今回再構築することができればと考えている。地域内の潜在的な人材も掘り起こし、様々な人材がまちづくり活動に参画することで、新たな活動領域が生まれることを期待している。まちづくりのノウハウを豊富に持った地域在住の市職員の参加を促進する。そのことが行政と地域住民の信頼性構築の第一歩である。
地域に100人のまちづくりの有志(道楽者)が集まれば、みんなで力をあわせ、文殊の知恵が花開くものと考える。今までは、他人事であったまちづくり、行政に関して、より多くの住民の関心を喚起したい。

5.おわりに 〜私たちの願い〜

まちづくりは決して一部の住民だけではできない。みんなの力を結集したい。
  まずは、自分にできる小さなことから始めよう。
    一ヶ月に30分でいいから、ボランティア活動をしてみよう。

子どもからお年寄りまで、一生涯にわたり、元気に活躍できる場づくり
  子どもが居ればみんな元気になる。子どもを地域の真ん中に据えよう。

いいことをやればみんなが認めて誉めてくれる、“認め合い”の風土づくりを目指したい。         みんなが笑顔で、色々なことに関心を持とう。無関心から脱皮しよう。

活動を通じてコミュニティの大切さを再認識し、共助の心を広げたい。
一人だけでは生きていけない。やさしい心をおすそ分けできるまちにしよう。

将来の泉川の理想の姿をイメージして、十年の計を立てよう。じっくりと十年かけて腰を落ち着けてやっていこう。活動の中で新しい知恵が生まれ、新しい人材が加わり、元気なまちにしていこう。みんなで一歩一歩実行していきたい。

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