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公民館ステップアップセミナー  ”ふれあい四国路”2008in新居浜  
第49回新居浜市公民館研究大会泉川まちづくり協議会発会式


”ふれあい四国路”2008in新居浜

開催日時:平成20年10月4日(土)13:00〜17:00
場所:新居浜市民文化センター 大ホール


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フォト集ふれあい四国路のポスターふれあい四国路の新聞報道

当日発表内容

皆さんこんにちは、今日はようこそ新居浜にお越し頂き有難うございました。
私は、泉川連合自治会の篠原茂と申します。
道路のアダプトプログラムに取組むことが、地域に何をもたらしたか。まだまだ活動は緒についたばかりですが、みんなの心が一つになってきた。まさに触れ合いが増え、意識が前向きに転換したことが何よりのことだと感じています。
ちょうど先週の日曜日も、皆さんをお迎えするためにバイパスの草刈りに取り組みました。これは、その時の写真ですが、朝の8時からと言っていたのですが、6時30分頃からそれぞれが担当部分を責任を持ってきれいにしてくれました。いつの間にか段取りもつかみ、最後まで責任を持って取り組んでくれました。地域のつながりを強くする機会を与えていただいたことに感謝し、事例紹介をさせていただきます。

私達の泉川連合自治会のモットーは次の5つです。
1、 自分達で出来る事は、自分達でやろう
2、 地域の子供達は財産、一人前にしよう
3、 「結いの心」を大切にしよう
4、 一生学んで、損をしない人生を送ろう
5、 地域の値打ちを高めよう

その活動の大きな柱が、国道バイパスの美化をはじめてとするあいロード里親制度の取組みです。国道11号バイパスは泉川校区の真ん中を横切り地域を分断しています。そして悲しいかなこの道路は荒れ放題でした。今から2年少々前までは。ヨモギは私の背丈よりも高く生い茂り、雑草もはびこっていました。犬のフンがいたるところに転がり、交差点も視界が悪く危険な状態でした。
そんな時、ある自治会長から「これじゃいかん」と憂慮の声が上がりました。
「自分達で出来る事は自分達でやろう」は私たちのモットーなのに恥ずかしいぞ。ということで平成18年7月9日に校区に草刈を呼びかけたところ、約140名の参加者が集まり、道路が見違えるように美しくなりました。その後、活動を定着させるために、国土交通省と道路里親制度(アイロード)の協定を結びました。

このアイロード活動の中でも特筆すべきは、ワークショップ形式で住民参加型グループ討議を行い、将来にわたる道のあり方を決定したことです。バイパスをどうやって地域の財産として活かしていくかについて、中学生から高齢者まで一緒に熱い議論を重ねました。特に、中学生が入ってくれたことによって、今までの話し合いとは全く違った雰囲気になりました。場が和んだし、子ども達が「地域のために頑張ります。」と語ってくれたことに対して、大人も恥ずかしくない行動を示そうというムードができました。

その中から多くのアイデアが生まれました。平成19年4月29日には、「花いっぱい大作戦」を実施、200名の地域住民が参加し、歩道花壇に種から育てたバーベナを植え、中央分離帯には近所から持ってきたタンポポを植栽しました。これまで荒地だった場所が美しい花壇になり、自治会女性部の皆さんによる餅つきも行われ景気づけになりました。

今年の3月20日には今回開通した中央分離帯に、昔から新居浜地方に生えていた樹木(照葉樹)を一本2,000円で募集し記念植樹を行い、交差点花壇にも花を植えました。十年の計は木を植える事が良いと言われます。今の小学生が成人を迎える頃には、今回植えた木が茂って林になり、小鳥たちが集い、木陰も出来るでしょう。子ども達にも地域とのつながりや愛着を感じてもらえました。そして、木を植えることにより二酸化炭素の削減つながり地球の温暖化を少しでも防げる環境教育にもなったと思っています。

また、二日後の開通式では、住民主導による開通イベントを行いました。当日は、自治会は餅つき、保育園園児には鼓笛隊の演奏、子供太鼓台の運行と、地域住民約千人が集まり国道の開通式を地域のお祭りとして祝福することができました。

その後、7月8日には自治会員が中心であった清掃活動に、新居浜商業の生徒が、地域貢献の一環として炎天下の中一緒に作業を行ってくれ、10日には泉川中学校の生徒も同様の作業を実施してくれるなど、三世代が協力した体制に拡がってきました。
私は、バイパスが校区の中心を貫けることで校区が分断されるとマイナスに思っていました。しかしバイパスに関わる事によってプラスに働いていることを感じています。

今までは道路管理は国や県や市に任せておけば良いといった風潮でした。しかしこの活動を始めてから大きく変わりました。家の前の歩道の花壇は、自分の家の庭の感覚で手入れしますと言って頂き、チューリップやパンジーなどを植え、草抜きをやってくれている人がいます。本当にありがたいことです。また、高齢者の方が黙って毎日草取りをしています。こんな地道な活動が徐々に広がってきました。そして、それをみんなが見てくれているんですね。それが本当にありがたいことなんです。

今、泉川校区では、汗をかき、知恵を出し、お金を出して、志を持ってまちづくりを推進しています。地域のまちづくりに主体的に、かつ責任を持って取り組む事が、自分の地域に「誇り」を感じ、このまちにくらし続けたい、このまちで子供を育てたい、他の人に自分のまちを自慢したいといった郷土愛に繋がっていくのだと思っています。

「協働」とよく言いますが、協働とはもたれあいではありません。住民と行政がお互いを尊重し、住民がすべき事と、行政がすべきことの役割分担を明確にした上で、補完しあい、協力してまちづくりに取組むことだと思います。この何十年間で、子育て、介護、地域環境の維持管理など、かつては家庭や地域が担っていた分野に、いつしか税金が使われるようになりました。
一見楽だからよかったと思いますが、知らないうちに住民の自立の精神を減退させ、行政依存の体質を作ってきたのではないでしょうか。今こそ、住民と行政のもたれあいを改め、住民がすべき事、行政がすべき事の役割分担の線引きを見直さないと手遅れになると思うのです。

国道11号バイパスをはじめ泉川校区には36箇所の花ステーションができました。春と秋には約1万本の花を植えていますが、その財源は市の補助金をあてにするのは止めました。校区内にある民間企業、商店、住民からの寄付金、さらにはバザーを行う等の努力により、財政的な自立を目指してきました。今後、活動が継続できるような支援体制を構築していくことが何よりも大事だと思っています。

いま私たちがやらねばならないこと、それは自分たちの志を繋げていくことだと思います。世代をつなぐこと、本日のように同志をつなぐこと、そして地域に起こりつつある活動のともしびを繋いでいくことが何よりも大事だと思っています。点が線になり、そして面になっていく過程を通じて、ゴミが無く花が咲いている町、子供の声が聞こえてくる町、挨拶が出来る町、老人にやさしい町、を校区住民で一緒に作って行きたいと思うのです。「道」は私たちにとっては交通だけではなく、心をつないでくれる大事な社会資本であると心から感じる今日この頃です。ご静聴ありがとうございました。

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