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 公民館ステップアップセミナー  ”ふれあい四国路”2008in新居浜  
第49回新居浜市公民館研究大会泉川まちづくり協議会発会式

第49回新居浜市公民館研究大会

開催日時: 2月22日(日)9:30〜 
場所:新居浜市市民文化センター中ホール

発表パワーポイントは下記をクリックしてください
自分たちのまちは自分達で

当日発表内容

皆さんこんにちは、泉川連合自治会の篠原です。
アメリカ初の黒人大統領になったオバマ大統領は“イエス・ウイ・キャン”という言葉を何度も言いました。
 そして“チェンジ”とも言いました。これはアメリカだけに当てはまることではなく、日本、そして新居浜にとっても、今、肝に銘じる行動基準だと思います。自分達にはできるんだと自信を持つこと。
そして現状変革を恐れないことが大事ではないでしょうか。
私たち泉川校区のモットーは「自分達にできることは、自分達でやろう」です。

昨年4月に、地域主導型公民館への移行の話があった時に、地域の事をみんなで支えて行く活動こそが「地域主導型公民館」だと考え、運営審議会で話し合い、移行を決定しました。
移行から1年近くなりましたが、何の問題もないと自信を持って言えます。
確かに公民館職員の勤務時間は少なくなりました。しかし利用者にとっては何も変わっていません。むしろ公民館報は新居浜商業の生徒が作成してくれだしたし、木曜日だけですが公民館の開館時間も長くなり、地域活動そのものはすごく活発になりました。つい先日も、新たに喜寿の方を祝う「年輪の集い」を行い、みんなが喜んでくれました。

私は、公民館という建物に人を集めれば公民館事業が上手くいっていると考えるのは少しばかり古い考えだと思います。自分が好きな趣味講座に参加するのが公民館ではなくて、校区の皆さんと一緒になって地域が抱えている課題に取り組んで解決していく、そしてみんなが幸せになるよう気持ちを合わせるのが公民館の役割だと考えています。
今日はこれから特徴的な事業である、国道バイパスとなんでも楽集会に絞って発表します。
国道11号バイパスは、泉川校区住民にとっては日々利用する生活道路であり、新居浜市にやってくるお客さんにとっては、まさに新居浜市の玄関にあたる道路です。地域みんなの財産であり、この道路がいつも美しければ、我々の誇りになると感じています。
しかし、悲しいことに平成18年6月頃まではヨモギは私の背丈より高く、交差点は視界が悪く危険な状態でした。中央分離帯には雑草がはびこり、犬のフンはいたる所に転がり、まさに荒れ放題の状態でした。
その状態を見過ごすことができなかった人がいた。そのことが契機になりました。交通安全のためにヨモギを刈ろうじゃないかという自治会長の言葉によって美化活動がスタートしたのです。自治会員に呼び掛けると約150名の参加者が集まり、大々的に草刈を行いました。その結果道路はよみがえりました。
そして、その状況を見た「国土交通省西条国道維持出張所」の石原所長と話ができ、じっくりとこの道路と向き合う取組みがスタートしたのです。
道路の里親制度であるアイロード協定を結び、地域のみんなに呼びかけ泉川中学校の生徒会も交えたワークショップを合計6回開催しました。その中では多くのアイデアが生まれました。

みんなで美しい心安らぐ道路にしようと「花いっぱい大作戦」、バイパス開通を記念して一本2千円で記念植樹オーナーを募集し、中央分離帯に、昔から新居浜地方に生えていた樹木を植えました。
よく十年区切りの活動には“木を植えること”が良いと言われていますが、植樹した小学生が成人を迎える頃には、木が生い茂って林になり、小鳥たちが集い、木陰で憩えるのを期待しています。この植樹は地域住民の連帯感を強めましたし、その後の道路への愛着にも繋がったと確信しています。また木を植えれば二酸化炭素も削減し、酸素を増やしてくれます。地球の温暖化を少しでも防止でき、道路という負荷を相殺する意味で、環境教育にもなったと思っています。
また、開通式では住民手づくりでイベントを行いました。自治会は餅をつき、保育園児は鼓笛隊の演奏、子ども太鼓台の運行と花を添え、住民約千人が集まってバイパス開通を地域のお祭として祝福することが出来ました。国土交通省四国地方整備局長がこんな住民による開通式は全国でも見たことがないとのおほめの言葉を頂きました。
今回のバイパスでの取組みを始めて、感動した出来事がいくつも生まれました。
今までは道路や公園などの管理は国や県、市に任せておけばいいという風潮でした。
しかし、この活動を始めてからは大きく変わったのです。家の前の歩道の花壇は、自分の家の庭だから私が手入れしますと言っていただき、チューリップやパンジー等を植え、草引きしてくれている方がいます。又、ある高齢者は夏の盛りも毎日バイパス草取りを行ってくれています。
JR新居浜駅の南の駐車場などは松木坂井の自治会や地域の企業が花植えや早朝の清掃作業を継続してくれています。そしてうれしいことに新居浜商業、泉川中学校の生徒達もこのボランティア活動の輪に参加してくれています。
ともすれば私たちは子どもをお客さん扱いしがちです。子ども達も地域の一員です。しかし地域の宝と言いながら甘えさせてしまっているのはどうかと思います。子どもたちにもできる仕事は分担することが、子ども達の心に地域を愛する種をまくことになるのです。やらされるのではなく、当たり前のこととして自分達にできる事を出来る形でやっていきたいと思っています。
たぶん今の話を聞いて、こんなことは公民館事業ではないという人もいるかもしれません。しかし、私たちは地域をよくしていこうという気持ちで行う活動はすべて公民館活動だと思っています。公民館の予算が付いている事業だけが公民館活動などという考えでは地域は変わりません。
その一つの表れが「なんでも楽集会」です。これは平成18年から初めました。
今の世の中、大きく変化しています。十年前には携帯電話でテレビが見えるなど想像すら出来ませんでした。昔は学校で勉強したらそれなりにやっていけましたが、今ではとても追いつきません。知識の不足を少しでも埋めていく為に、生活上の知りたいこと、役に立つことを学び、知らなかったので損をしたと言う事をなくしていくために「なんでも楽集会」と称して自治会館で行う学習会を実施しています。
公民館は遠い。けど自治会館だったら行ってみようという人が気軽に集まれます。自治会館が地域のみんなの交流の場所になれば、学習者が増えるはずだと始めたものです。
これまで枝広先生の落語や健康の話、自主防災、裁判員制度、ケアーネットワーク、ごみ減量化等の講座などを開催してきました。
昨年、新居浜市からゴミ有料化の提案がありました。私たちはこのことを真摯に受け止め、自分たちに何ができるか考えました。まずは先進地から学ぼうと徳島県の上勝町を訪ねました。上勝町は2020年を目標にゴミをゼロにすることを決意して「上勝町ゴミゼロ宣言」をしていることを知り、校区住民42名で視察してきました。
人口の少ない上勝町だから「ゴミゼロ」が出来て、新居浜市でできないわけがないと考えました。田舎だからできると逃げるのは簡単です。しかし東京都の町田市でも「ゴミゼロ」に取り組んでいます。そして実際にやっているのです。一番大事なことは、私たちのやる気です。「言うだけ」「理屈だけ」ではどうにもなりません。そんなことで片付く時代は終わったと思うのです。自らがチェンジし、チャレンジしなければいけないと思います。
私たちは現在、生ごみを減らすために「生ゴミゼロ宣言」をして具体的に取り組んでいます。その方法はいたって簡単です。土地のある方は埋め、ない人は子供広場に置いてある馬糞と生ゴミを混ぜて処理するのです。これだけで目に見えて生ごみが減りました。
いつの間にか賛同者も増えてきました。時間は掛かるかもしれませんが、まずは一つから始めることが大事です。その点が繋がって、線になり、いつの間にか面になって地域のカラーを塗り替えることになれば素晴らしいではありませんか。
 「地域主導型公民館」というと何か別の公民館のように考えるかもしれません。しかし、実際にやってみると何も変わりません。公民館の職員に今までは当たり前に頼んでいたことで、自分達でやれることをやるだけじゃないかと思っています。何も難しく考える必要はないと思います。自分たちの住んでいるまちを好きになって、10年先、20年先に生まれてくる人たちが、このまちに生まれてよかったと感じられる地域を自分たちの力で創っていくことしかないと思います。現在の評価は恐れるに足らず。今の人は損得勘定でものを判断するかもしれません。しかし、自分が死んでしまった後、未来の人たちに「あの時の人らが何もせんかったからこうなった。」と笑われないように頑張らないかんというのが、今の私達の活動を支えています。地域をよくしようと思えば地域を「好き」になることが大前提だと思います。そして、それに手をかけていけば好きの真ん中に手が加わって、素敵なまちになります。私たちは自分達のくらすまちを素敵なまちだと誇りたいと思います。
メリットは人に与えられるものにあらず。自らでメリットを生み出すよう努力していこうと思っています。以上で私達泉川の発表を終わります。

ご清聴ありがとうございました。

  

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